2006年 11月 20日
輝ける闇。 |
「ヨロシク」と仕事の電話を切り
条件反射のように時計に目をやると、
すでにAM3:00を過ぎていた。
FMは既に終了し、BGMは1時間ほど前から
トム・ウェイツがリピートしている。
ブラインドを開けて外を見ると雨。風があるのか落ち葉が舞っていた。
そしてグラスにアルコールを少々。
それを口に運びながら椅子に座り、
真夜中のオフィス街をぼんやり眺めていた。
「一人で良くやってるよ、まったく」
奮起している自分になのか、
自虐的な自分に対してなのか笑みがこぼれた。
「孤独が何よりも怖い自分が自らの孤独を選ぶ」
仲間を失った時の孤独は耐え難くドス黒い虚無感に苛まれながら
その災いが、ただただ通りすぎて行くのを嗚咽しながら祈るしかないのだが、
自分だけの孤独はそれ以上でもそれ以下でもないのだ。
その自己防衛術に対して笑ったのかもしれない。
グラスが進めば進むほど頭がクリアになり、
部屋の隅からジワジワと不安と闇が染みのように白い壁を支配して行く感覚に
「またか」と冷静になれば、今までべっとりとドス黒かった壁は
何事も無かったようにいつもの白い壁に戻った。
・・・帰ろう。
酒に酔ってるのだろうか、文学好きな自分に酔ってるのだろうか?
そう言えばデザイナーに成り立ての頃、坂口安吾が好きで
無頼派きどって飲み屋でデザイン論を明け方まで熱く語ってた事を思い出した。
陳腐で稚拙な。
今夜は実家に泊まらなければならないのも憂鬱の理由の一つだった。
両親が旅行中で実家の祖母の相手をしなければならない。
アルツハイマーの気のある祖母の言動に少しばかり疲れたのだ。
ドアを開け玄関に入ると洗面所に明かりが漏れていた。
また電気を消し忘れたな?とドアを開けると、
うは、バーチャンいた。トイレの戸全開で。
戸閉めぃ!ピキピキ。
あぁ〜、せっかく大江健三郎文学ごっこしてたのに。バーチャン。
閉めた戸の中からバーチャン「おかえり」だって。(笑
チョット可愛いかったから許す!
もー酔いさめたっちゅーねん。
そのあと風呂にバス浪漫ぶち込んで寝た。
ぷじおがそんな事悩んでる訳ねーじゃん。ヒマもねーし。(笑
次の日、朝のバーチャンの一言。
朝っぱらから顔見た途端、
ぷじお、まんじゅうけぇー!(喰え)イヤ、イラネ。
by murap3
| 2006-11-20 14:10
| 徒然日記