2004年 12月 15日
アトムの子。 |
転校してすっかり新しい学校にも馴染んだ小学5年生の夏休み前に
父の転勤が決まった。
ボクはそのことを告げられ動揺を隠せなかった。
また友達と別れるのが嫌だったからだ。
3つ離れた弟は意味を理解できずにボクの隣にキョトンとして座っていた。
父はボクの意志を聞くと笑顔で一言「そうか。」そう言って席を立った。
それから父も母も転勤の話をしなかった。
不安なままボクは夏休みを過ごした。
もうコイツらとはお別れかな。なんてことを考え
いつもの夏より一生懸命友達と遊んだ。
転勤の話を忘れかけた夏休みも終わりのある晩
父がボクと弟に3人一緒に風呂に入ろうと言い出した。
小学5年生になってたボクは恥ずかしくて「やだよぉ」と言ったけど
無理矢理風呂に入ってきた。
いつもより明るい父。
何となくボクは気づいていた。
その話を聞きたくなくて一緒に風呂に入りたくなかった。
浴槽の外で体を洗っていた父がふとコッチを向いた。
そして浴槽に入ってるボクと弟の腕をつかんで
「とうさん一人で行くから。」そう言った。
そう言ったあと父はうつむいたまま声をころして泣いた。
父の泣く姿をボクはこの時うまれて初めて見た。
そのうち弟も父の言葉を理解したのか泣き出した。
それを見て我慢していたボクもいつの間にか泣いていた。
…そのひと月後、すべての荷物を積み終えた父は
トラックの助手席に座って同僚の手伝いに来てくれた人たちと笑っていた。
そして出発前、ボクに向かって「じゃあ行ってくるから。…ぷじお、頼むぞ。」
そう言った父の顔は勇ましく誇らしげであった。
それ以来ボクの尊敬する人を書く欄は「父」になった。
父の転勤が決まった。
ボクはそのことを告げられ動揺を隠せなかった。
また友達と別れるのが嫌だったからだ。
3つ離れた弟は意味を理解できずにボクの隣にキョトンとして座っていた。
父はボクの意志を聞くと笑顔で一言「そうか。」そう言って席を立った。
それから父も母も転勤の話をしなかった。
不安なままボクは夏休みを過ごした。
もうコイツらとはお別れかな。なんてことを考え
いつもの夏より一生懸命友達と遊んだ。
転勤の話を忘れかけた夏休みも終わりのある晩
父がボクと弟に3人一緒に風呂に入ろうと言い出した。
小学5年生になってたボクは恥ずかしくて「やだよぉ」と言ったけど
無理矢理風呂に入ってきた。
いつもより明るい父。
何となくボクは気づいていた。
その話を聞きたくなくて一緒に風呂に入りたくなかった。
浴槽の外で体を洗っていた父がふとコッチを向いた。
そして浴槽に入ってるボクと弟の腕をつかんで
「とうさん一人で行くから。」そう言った。
そう言ったあと父はうつむいたまま声をころして泣いた。
父の泣く姿をボクはこの時うまれて初めて見た。
そのうち弟も父の言葉を理解したのか泣き出した。
それを見て我慢していたボクもいつの間にか泣いていた。
…そのひと月後、すべての荷物を積み終えた父は
トラックの助手席に座って同僚の手伝いに来てくれた人たちと笑っていた。
そして出発前、ボクに向かって「じゃあ行ってくるから。…ぷじお、頼むぞ。」
そう言った父の顔は勇ましく誇らしげであった。
それ以来ボクの尊敬する人を書く欄は「父」になった。
by murap3
| 2004-12-15 14:11
| 想い出日記